Roomy World

満足に自分を残す

出発

大勢の人が歩いている。

同じ方向に向かって歩いている。

同じ顔をして歩いている。

僕も同じ方向を同じ顔をして歩いていた。

なにも考えずに。


わけもなく立ち止まり、わけもなく人々の行列を眺めた。

そしてその瞬間、そっちの方向は僕じゃないと感じた。

そっちは僕の行きたいところではない。


他人が決める正解と不正解。

もうそこから解放されるべきなんだ。


自分が心地よい場所に向かって、足を踏み出せばいい。

僕は足の向きを変えた。

そして、世界が始まった。